しあわせの鐘
今日は父の施設に約8ヶ月ぶりに行ってきた。
月に一度は、顔を見にそして一緒に食事をして、戻ってくるのだが、色んな事情が重なり、
父と会うことができていなかった。
千葉にいるときは、もうこのまま二度と会えないんじゃないかと思っていたくらいだった。
コロナの影響で自粛、県を跨いでの往来、感染者が増える中で、私にできることは、父に手紙を書くこと。思いを込めて手紙を書いた。
長かった。大阪に帰ってきても、なかなか行くことができなかった。
そして今日ようやく会いにいくことができた。
会える時間は15分。外出はできません。
お部屋にも入れません。と、別室へ案内された。
看護師さんに連れて来られた父は元気そうだった。
いつもと同じように、穏やかな顔つきで、ゆっくり歩いてきた。「お父さん!」
会えた。よかったー。思わず肩をさすったり、手を握った。涙が溢れる。
いろいろ話した。私のことわかるかな?
笑顔で頷いてくれていた。
一緒にお菓子を食べた。子どもの頃によく遊んだ
あまりにも古い札なので、裏面から見て、このキズは坊主だとか、姫だとかがわかるのだ。
妹と妹の息子の4人。久しぶりに大笑い。
父も楽しんでくれた。
こんな些細なことで、喜んでくれた。
笑顔がみれた。嬉しかった。
8月からまた、面会を謝絶するらしい。
もう簡単には父に会えないのだ。そしてまたいつ会えるかも分からない。
今日会えてよかった。今日行っておいてよかった。
その後しあわせの鐘を5つ鳴らしに行った。
久しぶりのいい天気で、昼間は暑くてたまらなかった。山の景色は最高で、風は気持ち良く、思いっきり空気を吸った。
あたり一面、緑の大自然のに囲まれ、心があらわれたような気がした。
しあわせの鐘は山々に響きわたった。